「クレーム対応研修をやってください」だけでは意味がない理由
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「クレーム対応研修をお願いします。」
よくご相談いただくテーマです。
私自身、リクルートではクレーム対応の専門組織に長く身をおいた経験があり、それをもとにした研修・コンサルティングを多くの企業で行ってきました。
現場で実践できる内容であることから、ご好評いただくことが多いコンテンツです。
しかし、そうしたご依頼の場面で、私が必ずお聞きすることがあります。
「なぜ、今このタイミングでクレーム対応研修をご希望なのですか?何かきっかけがありましたか?」
この質問に対し、多くの企業の担当者がこう答えます。
「退職する若手に理由を聞いたら、『クレーム対応が嫌だった』という声が多かったんです。」
クレーム対応=離職理由?表面だけを見ていませんか?
この答えを聞くと、私は頭の中で「ふむふむ」と思いながらも、次のような疑問が次々と浮かびます。
- クレームが起きないような防止策は講じられているか?
- クレーム発生時のサポート体制は整っているか?
- 対応後のスタッフへのフォローやケアはされているか?
実際に1時間ほどヒアリングすると、「現場に任せている」「しているとは思うが、具体的にはわからない」といった回答が返ってくることが多いものです。
そして、私はこうお伝えします。
「クレーム対応研修自体は、喜んでお引き受けします。ただ、それだけで離職率が下がるとはお約束できません。」
クレーム対応研修は「対処療法」でしかない
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前述のような、クレームの未然防止策も、発生時のサポート体制も、フォローやケアも整っていない組織で、クレーム対応研修を行っても、例えるなら、鎮痛剤のような効果しか期待できません。
効いている間は一時的に楽になりますが、根本的な体質改善にはつながりません。
ここで問い直したいのは本当に「若手がクレーム対応そのものを理由に辞めているのか?」という点です。
私はこれまで、お客様相談室のように日常的にクレーム対応が避けられない部門にも多く関わってきました。
そこで「クレームが嫌で辞める」とは、ほとんど聞いたことがありません。
では、なぜ辞めるのか?
実際に退職を検討している方の相談にのったところ、こんな言葉が出てきました。
- クレームが起きても、どう対応すればいいかわからなかった
- クレーム対応中に誰も助けてくれなかった
- 対応後もフォローがなく、責められただけだった
- クレーム対応を上司に引き継いだら「何か、お前がやらかしたんだろ」と決めつけられた(←実際にあったホテルスタッフの例)
こうした一連の体験が、「クレーム対応が嫌で辞める」の正体。
本質は 「クレーム対応で怖い思いをしても、守ってくれない組織に失望して辞める」なのです。
クレーム対応で辞めない組織を作るには?
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人材が採れにくくなっている今、高い広告費をかけて採用し、ゼロから教育するよりも、今いる人材を守り、育てる方がよほど組織にとってプラスです。
その一つとして、クレームが起きた時にこそスタッフを守り、育て、安心感を持って働けるような、教育、方針、ルールといった環境整備やマネジメントの見直しが欠かせません。
もちろん、現場でのスキル向上としてのクレーム対応研修は有効です。
でもそれは一部でしかありません。
同時に、「クレームごときで辞めない組織」をつくることこそが、本当に価値のある取り組みだと、私は考えます。
まとめ:クレーム対応研修は、組織変革の入り口

- クレーム対応研修は、対処療法でしかない
- 根本にある「組織の支援体制や心理的安全性」の欠如こそ、離職の原因
- 今いる人を守ることが、最大の人材戦略になる
クレーム対応研修、よろこんでお引き受けします。
しかし、それだけで終わらせず、一緒に「辞めない組織」づくりにも取り組んでいきましょう。
どこからスタートすればいい?と思われた方には、ご連絡ください。
私のこれまでの現場経験と支援実績が、きっとお役に立てると思います。

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