「キャリア」と「更年期」を専門に活動しているコンサルタントの友人、清永真理子さん。
かつてリクルートで営業や管理職としてもご活躍されていた彼女が、先日、TBS系列RKB毎日放送の情報番組「タダイマ」にオンライン出演されていました。
テーマは「女性の更年期障害」。
彼女は、自らの経験をもとに「私が私じゃなくなる感覚があった」「最初は鬱かと思った」と、当時の戸惑いや苦しさを、ありのままの言葉で語っていました。
その中で、私の心に最も深く残った言葉がありました。
「更年期を正しく知ることが大切なんです」
この言葉は、そのまま、私たちが日々直面する顧客対応や人間関係、あらゆるコミュニケーションにも通じると、私は感じたのです。
更年期を「知っている」ことが、誰かを救う

清永さんはこう話していました。
「更年期のつらさは、まず本人が「ただの体調不良」と片付けてしまって気づかないことが多い。でも、人事も現場からの声が上がってこなければ対策を取れない。だからまず、「知ること」が何より大事なんです。」
彼女のこの言葉は、私の中にずっと残っています。
「知る」ことで、自分を守れる。「知る」ことで、誰かを理解できる。
まさに「知っている、は世の中を変える」と感じた瞬間でした。
顧客対応にも活きる「知識という防具」

この「知識」の価値は、企業のカスタマー対応にも当てはまります。
ある企業で、スタッフが高齢のお客様から激しく叱責され、ついには涙を流してしまった─そんな出来事がありました。
話を聞くと、その方は「ネットで見たら同じ商品がもっと安かった」と言っていたそう。
しかし実際には、それは仕様も別のモノでした。
スタッフは冷静に説明しようとしましたが、怒りに遮られ、会話が成立しなかったのです。
このとき、私の頭に浮かんだのが、和田秀樹さんの著書『人は「感情」から老化する』にある一文。
「人間の脳は老化に伴い、まず感情を司る前頭葉から萎縮していく」
高齢になると、感情のコントロールや理性的な判断が難しくなる場合がある。
こうした「知識」があれば、怒りの言葉をダイレクトに受け取らずに済むのではないでしょうか。
「この方の怒りの背景には、加齢による感情制御の難しさがあるのかもしれない」
そう思うだけで、自分の心を守るクッションになります。
「怒りは二次感情」─知識が感情を解きほぐす

また、私は研修の中でよくお伝えするのが「怒りは二次感情」という考え方です。
これは、感情を氷山に例えるとよくわかります。
水面に見えている「怒り」はあくまで二次感情であり、その下には、「騙された」「軽んじられた」「悲しい」「不安」など、本当の一次感情が沈んでいるという理論です。
前述のお客様で言えば、一次感情は「がっかりした」「不公平に扱われた気がした」などが想定されます。
この知識があるだけで、見える世界が変わります。
「この人は、なぜこんなに怒っているんだろう?」
「その奥にある気持ちはなんだろう?」
そう問いを立てるだけで、私たちの対応も変わります。
私は現役時代、こう考えながらよくこう切り出していました。
「騙されたと感じられたんですね。とてもがっかりされたのではないでしょうか。よろしければ、その点について30秒だけ、話を聞いていただけませんか?」
怒りに正面からぶつかるのではなく、その「根っこ」に水を注ぐように。
知識があるからこそ、冷静に、そして温かく対応できるのです。
まとめ:「知っている」は、人を守る力になる

「更年期」にしても、「高齢者の脳の変化」、「怒りは二次感情」という考え方にしても、「知っているかどうか」で、行動も、関係性も、結果も変わります。
本を読むでも、動画で学ぶでも、どんな形でも構いません。
知識は、あなた自身を守り、相手を思いやるための「防具」になります。
そしてこのブログも、そうした「知る」きっかけのひとつになれば幸いです。
これからも、私の現場経験をもとに、役立つ知識を発信していきますね。

